黄檗宗

黄檗宗は当初「臨済宗黄檗派」と称していましたが明治9年、臨済宗から一宗として独立し「黄檗宗」を公称するようになりました。中国では臨済宗に含まれますが、日本の臨済宗とは中国式という点で異なったため、独立して一宗派を成すに至ったのがその経緯です。 黄檗宗の起源とする臨済宗は、禅宗五家のうちの一派で達磨大師から11代目の臨済義玄禅師を宗祖と仰ぐ宗派で、中国で起こり発展し、日本に伝来してきたものです。 黄檗宗では法式(儀式作法など)やお経もすべて中国で行われていたものを忠実に継承しています。特にお経は独特で、唐音とよばれる中国語を基本とする読みをします。たとえば一般的によく詠まれる般若心経でいうと「まかはんにゃはらみたしんぎょう・・・」と唱えるところが「ポゼポロミトシンキン・・・」という具合になります。 さらに黄檗のお経の中には「梵唄(ぼんばい)」と呼ばれるものがあります。これは字にも表わされているとおり、歌のようなお経です。声明などとはまた違い、4拍子を基本とするリズムを刻みながら節の付いたお経を詠んでいくとても音楽的なお経です。法要ではこれに、いろいろな鐘や太鼓などの鳴物を合わせて音楽を演奏するかのように読経が行われます。 一度お聴きいただけば、今までのお経のイメージががらりと変わることでしょう。